[レポート]EC サイトのレガシーマイグレーション #AWSSummit
森永です。
AWS Summit Tokyo 2015のMC-01: Mid-Range Customers:「EC サイトのレガシーマイグレーション」のレポートです。
スピーカーは株式会社サードウェーブソリューションズの大坂 芳弘氏です。
レポート
ECサイトをAWSに移行する経緯
ドスパラの通販サイトのHW期限切れ 最初はHWリプレースを予定していた
経営陣から「リプレースだけなのになんでこんなにかかるの?」「AWSって考えてないの?」というプレッシャー
開発メンバーから「PCの組み立てを生業にしているのにクラウド?」「セキュリティ大丈夫?」という疑問や不安
→AWSに調査開始
オンプレとAWSの比較
比較項目 | オンプレの場合 | AWSの場合 |
---|---|---|
緊急時のリソース追加 | できない | できる |
調達時間 | 1ヶ月〜2ヶ月 | 即時 |
HW障害 | システム停止 | 考慮不要 |
障害対応時間 | かけつけ4時間 | 考慮不要 |
人的リソース | 保守要員が必要 | 考慮不要 |
DR | 複数のDCに2重化 | 複数リージョン配置 |
初期コスト | 調達機器に併せて発生 | なし |
追加コスト | 調達機器に併せて発生 | サービスを追加する際にランニングコストが増加 |
ランニングコスト | データセンタ使用料+保守費用 | サービスの利用料から従量課金 |
HWリプレイス | 概ね5年毎 | 考慮不要 |
→オンプレと比較してメリットが有る
AWS移行時の課題と対策
・技術面
レスポンス問題
AWSとDC(基幹システム)をつないだ際に応答速度は大丈夫か
→AWSと基幹システムをDXで接続
レガシーアプリケーション問題
OS・ミドルのバージョン変更による影響はどれくらいあるか。アプリケーションの改修範囲は?
→OS、Oracle、PHPに分類して調査
→OSとOracleについてはバージョンでの影響はほぼなし。
→PHPは影響があった。→セキュリティを考慮した上で最低限のバージョンアップをして影響範囲を最小化
データ移行問題
システム切替時の停止時間に関する課題
→差分移行をして、検証
・プロジェクト運営
プロジェクト管理、目的の共有と意思統一、レガシーシステムの改修要望に関する課題
キックオフ・ミーティングの実施
各社マネージメント及びプロジェクト関係者全員参加、目的の共有と医師の統一
ステアリングコミッティの実施
各社のマネージメント参加による、進捗・課題確認課題解決
マイグレーションアプローチ
既存のシステムの修正が必要な箇所を洗い出し
→修正内容でパターン分析
→分析結果からサンプルをピックアップして改修・テスト
→その結果を元に全てのプログラムを改修・テスト
→本番稼働
移行して得られたもの
・柔軟性
自由にスペックを変更。最低限のリソースを用意してできる
本番環境をそのままコピーして開発環境に出来る。不要なときは停止できる
・スピード
必要なリソースが必要な時必要なだけ調達できる
・コスト
初期投資不要。不要なサーバを立ち上げなければコスト抑制が可能
・セキュリティ
PHPのバージョンを上げられた。
VPCを導入することでセキュリティポリシーが統一された
・資産管理
資産管理不要になる
・運用担当者の負荷軽減
HW障害から開放されて、運用担当者の負荷が軽減される
インフラ担当者が少なかった為、その人がSPOFになってた
今後の取り組み
基幹システム
グループウェア
などAWSに移行すべきシステムがたくさんある
余談
AWSはドル建ての請求なので、円安の進行による請求額の上昇がある。これは想定外だった。
さいごに
なんかクラウドって心配、ということで敬遠される方が多い中、比較検討して導入する姿勢に敬服いたしました。
よく分からないという方にもわかっていただけるようなサービスを提供できるよう精進してきます。